今日から、少し女の子らしい香りのシャンプーを使用する。
彼は気づいてくれるだろうか。
6:30 わたしと彼の弁当を作る。
今日も彼は喜んでくれるだろうか。
母はわたしが入浴している間に仕事に出ていた。
7:00 TVのニュースを見ながら朝食。
世界は今日も動いている。だが、そんなことより、
彼はちゃんと朝食を食べているのかが気になった。
7:30 登校。乗車駅に向かう。
そう言えば、以前、電車で痴漢を捕まえた事があった。
男とは女性なら誰でも良い生き物なのだろうか。少し不安になる。
8:10 降車駅に到着。いつもの交差点へ。
いつも通り陸橋の影でMP3プレイヤーで曲を聴きながら彼を待つ。
今日は父の好きなBilly BanBan。古い歌だが静かに心に染み込む。
8:15 登校。
彼が来たので、挨拶をして寄り添う。
今日も素敵だ。たわいのない、しかし、楽しい会話をしながら。
8:25 HR。
特に注意事項もなかったので、彼を見つめている。
彼は窓の外を見ていた。少しはこっちを向け。
8:30 1時限目。数学。
予習はしているので、特にすることもなく、彼を見つめている。
と、教師に答えを求められたので前に出た。彼はわたしを見ているだろうか。
そう思いつつ、黒板を見ると式が間違っていたので教師に指摘。
教師は泣いて出て行った。ううむ。また、やってしまったようだ。
9:10 休み時間。
用事を口実に、彼のそばに行く。
「プリントを取りに行くんだが、手伝ってもらえないか?」
彼は面倒だと言ったが、無視して連行する。
11:25 4時限目。体育。
彼と離れるのがつらい。
最近は周りの女子がよく話しかけてくれる。彼のおかげでわたしも少しずつ変わっているようだ。
今日は胸の話で盛り上がって、最後には「こんな大きな胸、こうしてやるー!」と揉まれた。
過剰なスキンシップは彼にだけして欲しいものだが……ちょっと感じてしまった。
恥ずかしさの感情はうまく表情には出せないが、顔は赤くなった気がした。
12:05 昼休み。
彼とつき合う前は、携行栄養食品とサプリメントで済ませていた。
栄養的にはそれで充分だったが、何か味気なかった。それがなぜか、と言うことを考える前に
それが当前だと思い込んでいた。
今は、食事は誰か一緒に食べてくれないと最高の味には成らないことが解った。
そして、その誰かのために料理をすることが嬉しいことも解った。
彼は彼の母親が作ってくれているものと、わたしの作ったものを2つとも平らげる。
さすがに男だ。よく食べる。ふむ、明日からもっと量を増やすことにしよう。
そう言うと、なぜか助けを求められた。不可解だ。
12:40 5時限目。歴史。
体育の後に昼休みを挟むこのパターンは誰でも眠くなる。
しかも、歴史の教師の声は、まるで読経のように抑揚が無く眠らせようとする罠のようだ。
彼も眠そうだ。……あ、もはや寝ている。可愛い。
14:25 放課後。
わたしと彼は同じ部活なので、普段は一緒に帰る。だが、今日は委員の仕事があるので遅くなりそうだ。
彼に先に帰るように言う。彼は、そうか、とだけ言って帰ってしまった。
……少しは寂しそうな顔でもしたらどうだ。……つらい。
16:10 委員の仕事終了。
彼のせいで気持ちが揺れて、仕事が遅くなった。
日が落ちるのが早い。もう秋も終わりか。肌寒い風が吹いている。寂しさが募る。
校門まで来てみると、声を掛けてくる男が居た。彼だ。
「缶コーヒーでもどう?あったか〜い、だぜ」
嬉しい。待っていてくれた。思い切り抱きしめてキスをする。動揺する彼。慣れないようだ。
16:50 帰宅。
彼はわたしの髪の香りにはひと言も触れなかった。気づかなかったのだろうか。寂しい。
しばらくして、父が帰って来た。とても珍しい事だ。リビングに行き、父に挨拶をする。
お前、少し、変わったか?と聞かれて、はい、彼氏のおかげで、と告げると
父は気を失いそうになった。それほど動揺するとは思わなかった。
18:00 夕食。
珍しく母と父が揃う食卓。父は彼のことについて、
「今度機会があれば、連れてきなさい」
とだけ言った。ありがとう。お父さん。
19:00 日課をこなす。
予習復習、そして最近は父に頼んで、運動のメニューを追加した。
彼にもし何かあった時は、わたしがこの手で守らなくてはいけない。
地下のエクササイズルームで、プロの先生に指導を受ける。今日はカポィエラ。
21:00 入浴。
ふと、クラスの女子に揉まれた、自分の胸を意識してしまう。
やはり大きいのか……本当は彼が大きな胸を嫌いだったら困るな……。
不安に思いながら、ちょっと揉んでみる。
ふにふに。
……あ……っ……
だめだだめだ、頭を冷やそう。
22:00 就寝。
横向きに体を丸めて眠る体勢に入る。だが寂しい。
彼にメールか電話をしようと思ったが、時間も遅いし、止めた。
またきっと明日会える……と、思い込んで眠ろうとした。
と、わたしの携帯がメールを着信した。彼だ。
“今朝から、髪、いい匂いがしてたね。シャンプー変えた? じゃまた明日。おやすみ”
とある。すぐさま返事を打つ。
“ありがとう、気づいてくれていたんだな。とても嬉しい。また明日。おやすみ”
……愛してる、と入れるべきだっただろうか。
いや、入れなくても彼は解ってくれているはずだ。
わたしは幸せな気持ちで眠りについた。
また、明日。
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