そのニ
あの頃……俺にも好きな先輩が居たな。でも、デートに誘うこともできなかった。
もちろん、こんな風にプールで一緒に泳ぐ事なんてあり得なかった。
「また、ぼんやりしてるな」
クゥの声で我に返った。少し先で俺を睨み付けている。
「すみません、付いていきます」
俺が謝るとクゥがまた、泳ぎ出す。
泳ぎの感覚をなんとか思い出しつつ、クゥの平泳ぎに俺も平泳ぎで付いていく。
水中で前を見るとクゥの股間が見えた。
濃い紺色の布がピッチリと、尻やそれに続く大切な部分を覆っている。
俺の純粋で原始的なものが呼び覚まされた。
もっと、見たい。
泳ぎをクロールに切り替え、近づいていく。
ふぉおおっ!
彼女の尻とその間のラインが、だんだんハッキリ見えてきた。
彼女の足が開いたり閉じたりすると、その狭い隙間にある濃紺の布に縦じわが寄ったり、消えたりする。
も、もう少し、もう少しクッキリ見たい……!
「ゲボッ!」
俺は顔面に彼女のキックを食らった。
どうも近づき過ぎたようだ。俺は溺れそうになって立ち上がった。
両手で顔を押さえて激しく咳き込む。
クゥも泳ぎを止めて、俺のほうを見た。
「なんだ、今の感触は」
一瞬、状況が解っていないようだった。だが、俺が顔をさすりながら、いや、なんでもない、と言うとすぐ理解した。
「あ……すまない。でも、なぜ、そんなに近づく必要があるんだ」
言えるワケない。いや、言っても良いんだろうけど、ここはそういう店なんだから、でもなぜか俺はへらへらして誤魔化した。
「ふむ……」
緩やかな波を起こしながら彼女が近づいてきた。
俺の顔に手を当てまじまじと見つめる。
俺はドキリとした。
「少し、鼻が赤くなってるが、大事ないようだな……」
その時、彼女の言葉の意味を全く把握できなかった。
その濡れた唇があまりにも魅力的で、聞いていなかったからだ。
「ん? わたしの顔になにか付いているか?」
その真っ直ぐなまなざし。きれいだ。先輩もそんな目をしていた……。
そう思った瞬間、俺の中で欲情が理性の堰を切った。
「か、カワイさん!」
一瞬、彼女の手が水面をかすめ水音がした。
「ひゃ?!」
俺は彼女を抱きしめずにいられなかった。
彼女の背中に手を回す。
スクール水着の感触。その濡れた合成繊維の質感。彼女の肩胛骨が、その下で動く。
俺は指から伝わるその触り心地に、めまいにも似た感覚を覚えた。
「君、あ、は、放しなさい」
彼女の息が耳に当たる。
彼女は身体をひねってもがきながら、俺の肩に手のひらを当て、腕を伸ばそうとした。遠のける仕草だ。
「ごめん、でも、俺……」
俺は彼女に頬ずりし、耳を甘く噛んだ。
「うひゃぅ!」
彼女はさっきまでのクールな態度に似合わない声を上げて跳ねた。
激しい水音が響く。
「耳、弱いんですか」
彼女は目を伏せ、うう、と声を漏らした。
かわいい。水面下にある俺の潜望鏡が、ぐぐっと伸びた。
抱きしめているから当然、彼女はそれを察知した。
「あっ……こ、これ以上は、だ、だめだ、ぞ」
そう言われるとよけいに燃えてしまうのが男のサガ、というものだ。
彼女の腰を俺の腰に引き寄せて、硬くなった海綿体をその前面に押しつける。
「あ、んん! だ、だめ、だと……言ってるだろう」
だが、彼女の抵抗は確実に弱くなっている。
俺はより股間を密着させた。
尿道側に彼女の大事な部分を守る海草のざらつきを感じた。
「ああ……っ」
彼女は上気し、あごを上げる。
眼鏡が曇る。
そのようすにさらに興奮した俺はもう止まらない。
海パンをずらし、俺の凶暴なウツボを彼女の海草の下に潜り込ませた。
「は……ぁ……こ、すれ、る……」
彼女の紅潮した顔が下を向いた。
その目は伏せられ、長いまつ毛が震えている。
半分開いた、魅惑的な唇。それが濡れているのは水のせいだけではないだろう。
俺の肩に当てられていた手は、いつの間にか肩を掴むような形になっている。
彼女の額が俺の額に軽く当たる。
俺は亀頭を彼女の内腿の間で、リズミカルに出し入れした。
「ひ、うっ、うっ……」
肩で息をしている。
微妙に眉間にしわが寄る。
「わ、わたしの陰核が、キミの陰茎に刺激されて……勃起してる……ああっ! 気持ちいいっ」
俺の心拍数が跳ね上がった。
この子、なんていやらしいんだ。
そう思ったとたん、いたずら心が湧き上がる。
俺は動きを止めて、彼女から離れる。
「あ……?」
その眼鏡越しの瞳に哀しげな疑問が浮かぶ。
俺は涼しい顔で言い放つ。
「カワイさんとは、エッチなこと、しちゃダメでしたね、すみません」
「あ、う……」
表情からは解らないが、たぶん欲しいのだろう。
俺は彼女の横を通り過ぎ、向こう岸に向かう。
「じゃあ、引き続き、俺の泳ぎをみてください」
平泳ぎを始めようとかがんだ。
「……ヒドイぞ……」
背中越しに彼女がつぶやいた。
俺はわざと、とぼけた声で返事をした。
「なにか言いました?」
振り向いた途端に激しい水音が立った。
「ヒドイ男だ、キミは!」
彼女が飛びついてきた音だった。
「ん! んんふ!」
俺と彼女の舌が、激しく絡み合う。
互いの唇は重なり合いながら、ぬめぬめと緩やかに弧を描く。
彼女は口を大きく開けたまま、離す。
「ぷは……」
その舌を突き出して、俺の舌の先を舐めた。
わずかな粘液質の音が耳に届く。
「うふぅ……」
彼女は俺の目を探るように覗きながら、その手を俺の海パンの中に入れた。
「キミだって、全然収まってないじゃないか……嘘つき」
白魚のような指が俺のうなぎを取り巻く。
「う……ごめん……あぅ!」
俺がその柔らかい指の動きに声をあげると、彼女の口元が一瞬、わずかに笑った。
俺の棒鱈をぐっと握ると、やや眉間にしわを寄せる。
そのまなざしには微妙な羞恥が浮かんでいるようだ。
「本当はわたしも……嘘つきなんだ……」
少し目を伏せて。
次に開いた瞳には、抑えがたいとでも言うような、哀願の光が含まれているように思った。
「キミとなら……え、えっちなこと、しても良いと、思ってたんだ……」
消え入りそうな声。そこに艶かしい吐息が混じっていた。
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