[ひなたの夏休み] 2

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 中庭に着くと、待ちかねたように木陰から飛び出してきた人物がいた。
「やっ! アキ君、リョウちゃん! 今日もバカップルだね!」
 もはや一足先に夏を満喫したような色黒の女生徒だ。
 俺たちに、片手を敬礼するようにして、にこにこと笑いかける。
 安藤 奈津子(あんどう なつこ)先輩――ドーナツ先輩だ。
 俺はあんまり、そうは呼びたくないんだけどね。先輩だし。

 彼女はいつも明るく夏の太陽のように笑っている。なつこ、という名前に相応しい。
 スレンダーで背も高くカッコイイ感じだ。おまけに料理部部長だからその腕も相当なものだと思う。
 これで口が悪くなければ、けっこうモテると思うんだけどな。
 どういうわけか俺はそんな先輩に気に入れられて、告白された。それも涼夏に対する宣戦布告って形で。
 そりゃあ、まあ、悪い気はしないけど……でも俺の心が動くハズがない。

「なぜ、あなたがここに?」
 涼夏は、俺が疑問に思った事を先に言った。
 安藤先輩が、優雅な動きで腰に片手を当てた。この人の動作は、どうもいつも芝居がかってる。
 もう片方の手はなぜか、後ろに隠していた。
 息を吸って、快活に応える。
「それはアベちゃんから、あんたたちがここに向かったって情報をキャッチしたからよ」
 先輩は手のひらを上にして、さっと腕を後ろの樹に向けた。
 その樹の陰から、ちょっとえっちっぽい体つきをしたタレ目の女の子が出てくる。
 同じクラスの阿部 茉莉(あべ まり)――マリリンだ。

「涼夏様、お待ちしてました」
 顔を赤く染めて、軽く会釈する。
 以前、涼夏に注意されたにも関わらず、同じ学年なのに惚れている涼夏にだけは敬語を使う。
 彼女は男嫌いだ。つまり、そのエロい体は男には全く無意味なのだった。
 もしかすると、その体のせいで男嫌いになったのかも知れない。
 安藤先輩と同じ料理部だが、その腕は壊滅的。
 先輩は見所があると思ってるみたいだけど。

 安藤先輩は後ろ手に隠し持っていた、かわいい感じのきんちゃく袋に包まれたものを突き出す。
「そういうわけで、アキ君! リョウちゃんはあんたの分を作ってないんでしょ? これを食べなさい!」
 涼夏を見て勝ち誇ったように笑う。
 それに対して涼夏は、やや目を見開き睨み付けた。
「く……。今日のところは先輩の勝ちを認めましょう」
 まばたきと同時に、眼鏡を直す。
「ですが。明日は、わたしが明信君のお弁当を用意しますので、悪しからず」
 先輩が口元を、にやりと歪めた。
「リョウちゃん。いいのかなぁ。今、この料理部部長が魂を込めて作った弁当を食べたなら、明日はないかもよ?」
 涼夏はあごを上げて、それを突っぱねる。
「いいえ。心配には及びません。わたしの腕は先輩と互角だと自負しています。それに加えて愛されていますので、大丈夫です」
 安藤先輩は笑った顔のまま、あごを引いた。
「ふぅん……すっごい自信ね」
 クールにさらりと返答する涼夏。
「ええ。事実ですから」
 二人を取り囲む空間には、暗雲立ち込める天からの雷鳴と、大海原の荒れ狂う怒濤が見えた。
 うひー! 女の闘い怖ぇぇ! 怖ぇぇよー!

 そこへ唐突にトキンが現れて。
「やぁ! ボクを巡って争う美しき乙女たちよ! ボクは二人ともラヴ・アンド・ピースだぜ?」
 いつも以上にバカなことを口走った。
 当然、二人の鋭い猛禽類のような視線はヤツに突き刺さりまくる。
「ふひっ?!」
 恐れおののき、震え上がるトキン。
「あっ、いや、その、男としてそーゆーの、一度言ってみたかっただけなンす! すみませンっしたっ!」
 ペコペコと物凄い勢いで頭を下げる。
 謝るなら最初から言わなきゃいいのに。

 安藤先輩が、歯を見せながら一歩前に出た。どこからともなく、ゴゴゴ……と地鳴りがする。
 トキンの目の前に立つ。ヤツのほうがやや高い。
 首をかしげるように軽く見上げる先輩。
「あんたなに?」
 先輩の口元は笑っているように見える。しかし、目は据わり、その声の調子は明らかに怒っている。
 そんな笑いながら怒る人を俺は初めて見た。想像以上に恐ろしい。

 涼夏が溜息をついて、先輩に言った。
「彼は坂本君といって、ウチのクラスの問題児です。迷惑を掛けてすみません」
 先輩は、それを聞きながらもヤツから目を離さない。
「へぇ……確かに魚の腐ったような目ぇ、してるねぇ? んん?」
 トキンは、ガクガクと震えだした。
「すすすみません! っとにすみません! 本当はザミがうらやましくってうらやましくって、猛烈に邪魔したくなったんでふぅうう!」
 うわ、ぶっちゃけたよ。しかも最後のほう涙声だし。しゃあねーなぁ。
「安藤先輩。コイツ、バカだから許してやってください」
「ふぅん。バカならしかたないか」
「うごぉぉぉ――っ! ザミのどちくしょぉぉぉっ! 覚えてろー!」
 トキンはまた、クライ・アンド・ゴー。
 なんだこのデジャビュ。

 俺たち四人は、木陰の芝生に俺の持ってきたレジャーシートを広げ座った。
 俺の右手に安藤先輩、左手に涼夏。さらにその向こうにマリリン。
 マリリンはおいといて、いわゆる“両手に花”って状態。
 俺には一生縁がない言葉だと思ってたけど、まさかこんなステキなことになるなんてなぁ。
 素晴らしいじゃないか。うんうん。

 感慨にふけっていると、目の前に安藤先輩の用意していた弁当箱が置かれた。
「さあ、食べなさい。おいしいよ」
 横から涼夏が俺と先輩を交互に睨んで、軽く溜息をついた。
「明信君。わたしに遠慮せず、食べれば良い。今日はしかたないからな」
「でも、俺も自分の分あるしさ……そんなに食えないよ」
 安藤先輩が、にっこりと笑う。
「大丈夫。きっと入っちゃうよ。あ、そうだ。そのアキ君のをちょうだい。食べ合いっことかどう?」
 にひひ、という声が漏れる。
 涼夏がその笑いを冷静に見つめた。
「それも良いでしょう。わたしには、彼がわたしのためだけに愛を込めて作ってくれたお弁当がありますから」
 それを聞いた俺は赤くなりながら首を掻いた。うーん。涼夏って、こんな負けず嫌いだったんだ。
 先輩は叫んだ。
「な、なんだってー!」
 今度は涼夏が勝ち誇った笑みを見せる番だった。

「委員長。ほい、これ。旨いぜ」
 先輩の涼夏に対する怒りの波動を肩に感じながらも、俺は弁当を渡した。
「ありがとう。さっそく頂くとしよう」
 涼夏は俺の弁当を受け取ると、先輩の波動を完璧に跳ね返す、輝く微笑みを見せた。
 そのとき、マリリンが涼夏に呼びかけた。
「あの、涼夏様。あたしも、その、作ってみたんです。お弁当」
 すっと涼夏の前にピンクの小さい弁当箱が出された。
「ふむ……。その気持ちは嬉しい。だが、正直に言ってあなたの腕はまだまだだと思う」
 涼夏の歯に衣着せない発言にマリリンの顔が強ばる。
 涼夏は続けた。
「だからといって完全に拒否しては、あなたの気持ちを蔑(ないがし)ろにしてしまう。だから味見だけさせてもらおう。それでも良いかな?」
 マリリンの顔が、ぱっと明るくなった。
「はい! よろしくお願いします」
 涼夏は、自分のポーチから高級そうな箸箱を取り出した。さすがに用意がいい。
「明信君。先に彼女のお弁当を食べるが、気にしないでくれ」
「ああ。気にしないって」
 涼夏はマリリンの弁当箱を開けた。
 一口サイズの俵おにぎりが数個と卵焼きだけのシンプルな内容だった。
 以前、安藤先輩のアドバイスにあった“何事も基本から”を忠実に守っているようだ。
 涼夏は手を合わせて、いただきます、とつぶやいた。
 いくつかあるおにぎりの一つを箸でつまみ上げ、口にいれた。
 涼夏は無表情で、もぐもぐと食べる。
 そして、ひとこと。
「これはしょっぱい」
 マリリン、がっくり。
 涼夏は次に卵焼きを器用に箸で割って、口に運ぶ。
 やっぱり無表情にもぐもぐ。
 飲み込むと、またひとこと。
「こっちは甘過ぎる。以上だ」
 そう言って、涼夏はマリリンの弁当箱を返した。
 受け取ったマリリン、涙目。でも、それでも我慢してお礼を言った。
「あ、ありがとうございましたっ!」
 涼夏が優しく彼女の下げた頭を撫でた。
「うむ。また挑戦してくれ」
 安藤先輩が、にぱっと笑ってグーを作った。
「ファイト!」
 マリリンは、何度もうなづいた。

「じゃあ、俺も食べようかな。いっただきまーす!」
 俺はまず、自分の作った弁当から箸を付けた。
 俺の弁当は、母さん直伝の和風鶏肉ハンバーグ、ニンジンとほうれん草のごま油ソテー、それに五穀ご飯だ。
 涼夏も俺の作った弁当を食べ始めた。
「ん……おいしい。さすがだな、明信君。あっさりした鶏肉にしそのソースがよく合っている」
 やった! 心の中でガッツポーズ二度目!
 その嬉しそうな顔が見たかったんだよな。それを見るためにがんばったんだよ。
「うん。良かった」
 でも、口から出た言葉はそれだけだった。
 ふたりきりでもないと、そんなこと言えるわけねーって!

「ふぅん、どーれどれ?」
 安藤先輩が、俺の食べている弁当を横からつまんだ。
「ん! うーん! うんうん!」
 激しくうなずく。
「やっぱり、ウチに入んなよ! この味はリョウちゃんだけに占有させとくワケにゃいかない! みんなで共有しないと!」
 目を輝かせて料理部に勧誘する。
 困ってちらっと涼夏を見ると、うなづいていた。
 えー! 納得なのー?!
「安藤先輩のいうことには一理ある。もちろん、わたしだけが占有しておきたい気持ちもあるが、ここはやはり、この味を広く一般に伝えることのほうに意義があると思う」
 純粋な眼差しで、俺をみつめる。
「それに明信君が料理部に入るなら、わたしも入ろう。部活には入っていなかったしな」
 そうだ。涼夏は勉強だけでなく、運動や美術、音楽なども普通以上にこなす能力を持ちながらも、委員活動以外はしていないのだ。
 なぜなら、あまり人と交流を持ちたくなかったからだという。
 それを思うと涼夏は最近、ずいぶんと変わったといえる。
 俺のおかげ……なんて、ちょっとうぬぼれてしまいそうになる。
 ちなみに俺はバイトがあるから、部活には入ってない。

「えっ! 涼夏様がウチに?! やったぁ!」
 マリリンが喜びの声を上げた。俺のことは、やっぱりどーでもいいらしい。
 いっぽう、安藤先輩は困った笑い。
「あはは。そりゃ、あんたたちならそうか」
 箸を持った手をあごに当てて、五秒ほど考えた。
「うーん……うん、いいよ。リョウちゃんも来なさい。珍しく意見の一致を見たしね。それに相当デキるんでしょ?」
 涼夏は軽く会釈した。
「ええ。もちろん。では、改めてよろしくお願いします」
 なーんか流されてるよーな気もすっけど、まあ、涼夏と一緒にいられる時間が増えるならいいか。
 テストのための勉強会も終わったことだしな。
「あ、俺も。よろしくっす」
 涼夏がちょっと念を押すように言った。
「ところで、わたしたちはそれぞれ委員会があったり、アルバイトがあったりで、あまり顔を出せないと思いますが良いですか」
 先輩はうなずく。
「うん、出られるときだけでいいよ。その日には、必ず他の部員全員に招集掛けるようにするし」
 むー、なんかオオゴトになってきた気がするなぁ。

「さて話が決まったところで、アキくん」
 安藤先輩が、ぐぐっと顔を近づけた。
 ドキッとする。
「あたしの、た・べ・て?」
 にっこりと、ハデめの原色を使った弁当箱を差し出した。
「あ、はい。じゃあ……」
 そう答えた瞬間、凍てつく波動を感じた。
 俺は思わず、涼夏を振り返る。
 いつものように平然と、俺を見ている。
 だが、その瞳の奥にはブリザードが荒れ狂っているのが見えた。
 皇帝ペンギンでもなければ、一瞬で凍り付くに違いない。
 大自然の猛威にも似た冷酷無比な怒り。
 俺はすぐさま、先輩に向き直り謝った。
「すみません。辞退します」
 先輩は口元は笑っているが、目は見開かれる。驚いているようだ。
「えっ、なに、なんで? リョウちゃんも許してくれたのに」
 俺の後ろから涼夏も頭を下げた。
「すみません。やっぱり無理です。彼が誰かの愛情が籠もったお弁当を食べるなど、耐えられません。どうかおさげください」
 先輩は一瞬、ぽかんとした。
 やがて、困ったように笑い出す。
「はは、ずっるいなー、リョウちゃん。そんな真っ直ぐ言われたら、引き下がるしかないじゃん」
 軽く溜息を吐いて、安藤先輩は自分の弁当箱を開けた。
「しかたないなー。ンじゃ、いただきます!」
 パクパクと、いや、どちらかというとモリモリと食べていく。
「アキ君、確かにあんたの腕は確かだけどさ、ひとつ足りないんだな」
「え、なんですか」
「旬のものを使うってこと。ほら、あたしの見て」
 先輩の弁当には、カボチャをメインにキュウリ、トマトを使ったサラダと、豚肉とナスの辛みそ炒めが入っていた。

 そうか……旬か。
 確かに使っている野菜は全て夏野菜だし、辛いものも食欲をそそる。
 豚肉と味噌はよく合う上においしくてビタミンも豊富だ。夏に向けて、滋養にいい。
 く……料理部部長はダテじゃないってことか。安藤先輩、あなどれないぜ。

「ふおおおおおっ! うーまーいーぞぉぉぉっ!」
 またも突然、トキンが現れて先輩の弁当をがっつく。
「ふんぐ! 食えるときに、んぐんぐ! 食っとかないとなっ!」
 がつがつ! がつがつ!

 その場にいた全員が呆気にとられていた。

 はっ!
 俺は真っ先に我に返る。
「それはおまえが食っていいもんじゃねぇ――っ!」
 ずびし! と後ろから脳天にチョップを喰らわせた。
「んがくっくっ?!」
 奇妙な声を上げて、前に倒れ込む。
 ぴくぴくとケイレンしているが、コイツのことだ。死にはしないだろう。
「委員長、コイツそのへんに転がしとくから手伝って」
「了解した」
 涼夏とふたりでヤツの両手両足を持って、近くの木陰にあるベンチへ置いた。

 安藤先輩が、ほとんどなくなってしまった自分の弁当を放心状態で見つめていた。
 マズイ。なにか声を掛けないと。
「え、えーと。旬に気を付ける、ですね。解りました」
 先輩はうつろな目で俺を見た。
「あ、うん……そうだよ……そう……ふ、ふふふ」
 笑いも惚けた感じで、アブナイ人みたいだ。
「とりあえず、片付けますね」
 俺は先輩の弁当箱のフタを閉めて、きんちゃく袋に入れた。
 それを先輩の手に置いたが、俺に対する反応はなく、ただ、小さなつぶやきだけが聞こえた。
「ふ、ふふ、あたしの傑作……アキ君にも食べてもらえなかった上に……この仕打ち……ふふふ……神様っているの? ねぇ……」
 よっぽどショックだったんだな。ちょっと気の毒になった。

 マリリンが俺の肩に手を乗せて、首を横に振った。
「部長がこうなったら、もう、そっとしておくしかないよ」
「そか……」
 俺たちは先輩の前からちょっと離れて、食事を再開した。

 やがて、弁当を食べ終わると、俺と涼夏とマリリンで雑談を始めた。
「それで、委員長。夏休みの予定とか、どうなの」
 涼夏は野菜ジュースのパックを飲み干した。
「うむ。例年通り、基本的には図書館で宿題と勉強、それに読書といったところだな。時々、委員会もある」
「涼夏様、すごいです! 遊びに行ったりとかはないんですか」
 っと、それ俺が言おうと思ったのに。
 涼夏は答える。
「遊びに、とはどういう事をするんだ? 映画を見るくらいしか思いつかないが」
「それもアリですけどー、海とかプールとかぁ、カラオケとか……あとショップみたりー」
 マリリン、さすが普通の女子高生。
「それからぁ、好きな人の家に行ったり……ふふふぅ」
 顔を真っ赤にして、体をくねらせる。エロい。なんで男に興味ないかな。もったいねー。
 涼夏は、マリリンの言葉に大きくうなずいた。
「そうか。それは良い」
 涼夏は俺の目を見て真っ直ぐに見つめた。
「夏休みは、君の家に行こう。しばらくやっかいになるぞ」

 俺とマリリンは、言葉を失った。
「もちろん、宿泊費用は支払わせてもらうし、自分のことは自分でやる。どうだ?」
 俺は首から上に血をのぼらせて、口をパクパクさせた。
 彼女は、俺の返事をしばらく待った。
 俺は深呼吸して、やっと声が出た。
「マジかよ! いや、宿泊費とかはいらないけどさ、部屋もないし、その、みんないるし、えーと」
 涼夏は、ほんのちょっぴり悲しげな顔をした。
「嫌なのか」
 俺は思い切りブルブルと首を横に振った。
「そうじゃない! でも、その、なんというか……」
 マリリンがそこに突っ込む。
「そんな状況になったら涼夏様とヤリたいの、ガマンできないって正直に言えば?!」
 図星です、はい。
「明信君。そうなのか……だったら、今度こそ覚悟を決めるが」
 毅然と言い放つ。
 だが、その目には不安が色濃く浮かんでいた。
「いや。おまえ、怖いんだろ。俺が言うのもヘンだけど、まだ早いんじゃないか」
「明信君……」
 俺に抱きつく涼夏。
 マリリンのほうを見ると、恐ろしい形相でギリギリと歯ぎしりをしている。
 俺は目を逸らし、涼夏に話しかけた。
「その、ソレがあるなしは別にして、一度、うちの両親に相談してみるよ。おまえが泊まりに来られるかどうか、さ」
「うん。ありがとう。良い結果を期待している」
 涼夏はさらに俺を抱きしめた。
 マリリンはさらに歯が折れそうになるほど歯ぎしりをした。

 俺の命は、短いかも知れない。
 そう思った。


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